フォーラムなど企画(2016年から)

2017年6月11日/特別イベント『横浜市長屋門コミュニティ(—世代を超えての安全安心コミュニティづくりー)訪問記』

[主  催]日本市民安全学会、警察政策学部会研究会合同研修会
[会  場]長屋門公園(横浜市瀬谷区阿久和東1−17)

[内  容]長屋門コミュニティの見学と講和
1、長屋門コミュニティ現場訪問  
 今回訪問したのは、横浜市瀬谷区阿久和東にある長屋門公園(横浜市の所有)で、指定管理者制度に基づき,ボランティア団体「長屋門公園歴史体験ゾーン運営委員会」により管理運営されており、自然観察ゾーンの公園や歴史体験ゾーンの各施設等があります(入園、入館は無料)。

2、講師のご紹介とお話の要約
講師:清水靖枝氏(長屋門公園歴史体験ゾーン事務局長 写真右)
・ご紹介:清水さんは日本初の女性防犯組織(瀬谷区)を立ち上げた方で、現在、神奈川県女性防犯連絡協議会会長を務められるなど、女性の目線で我が国の安全安心のまちづくりに多大な貢献をされ、今は、この素晴らしい日本の伝承文化や自然環境を、次世代に残すことをライフワークに活動しておられる方です。


〇地域の人が自ら運営管理するゾーン
  指定管理者制度は、市の所有する施設等を行政のOBなどが管理運営に当たることが大半であるが、長屋門公園の管理運営は、 初の「地域在住の人たちが常駐する公園」として、また緑や鳥を守ることを大切にすることを旨に、その運営が始まりました。 「ここは、自分達のための施設であると感じられる運営」を常に心がけて、禁止の立て札も禁煙以外は出さず、管理を感じさせず、 自分の責任において自由に利用してもらうという。この考え方が浸透すると、長屋門内にモノを捨てない習慣ができた。また、この 地域に住む900世帯が安心して暮らせるために、誰が、何をしたらよいのか?自分達ひとり一人が動き見守ることの大切さを、自 治会全体へ伝える努力を続けてきたといいます。
〇季節の日本の伝承文化や寺子屋等各種教室の開催
 市の認定歴史的建造物(旧大岡家長屋門、旧安西家主屋等)という立派な古民家を、ただ見るだけの施設ではなく、先人たちの思いが込められている各種年間行事や伝承行事を体験でき、その素晴らしさを感じることができるよう運営しているという。五月人形、 七夕飾り、蔵開き、田舎一泊体験などプログラム内容は、多種多様で現在約100の事業を展開しています。 地域住民が歴史的建造物を使いながら保存し、そのプロセスを通じてコミュニティづくりを行い、地域の老若男女の「こころの癒しの場」(居場所)になっているのです。
〇地域の駆け込み寺:長屋門
 蘇る300年の歴史と自然のたたずまいの中で、地域のコミュニティの息遣いが感じられる長屋門公園。(写真は、長屋門を背にした見学会参加の面々) 「文化財級のたてものは文化財とするのではなく、住民が使って残していくことが大事。先人たちの営みを今の人が感じ取ることが大事。」との清水さんの言葉が印象的でした。 こうした地域の方々の日々の努力の基に、長屋門は、「世代を繋ぐ地域の安全安心の、また、自治会活動の拠点」であるとともに、 老若男女を問わず、家庭でのトラブル発生はじめ地域の様々な問題発生時の「駆け込み寺」となっていったのです。

〇「おとなり場」
そのために、向こう三軒両隣りの「各家から見通せる範囲10軒づつを見守り合う組」(注)に編成をし、組単位で、緊急時に助け合う見守り隊性の仕組みを作ったといいます。  注:背中合わせの組みでは見守りができない。京都の古い町割りも各家から見通せるように編成されていました(石附)。
〇「お隣リカード」
 防災活動がスムースに行えるため、家族情報などのカードを作成し、毎年更新しています。また二組単位で昼夜パトロールを実施した結果、空き巣や孤独死等の事故が皆無となり、認知症徘徊連絡もスムースにいくようになったといいます。
〇みまもりの家
 「みまもり」は目で見えないので、近隣の公園内に、手作りで「みまもりの家」を建てて「見える化」し、そこには必ずボランティアが毎日二人常駐しているそうです。 「そこへ行けば誰かがいる」をコンセプトに、地域の人は自由に予約なしで利用できる。「見守りの家の広い縁側」で繰り広がれる子ども食堂等には多くの住民が参加しています。 (写真中央は、「みまもりの家」建築の指揮に当たった吉野久世話人) 注:「縁側」は、ひと昔前までは、家の内でも外でもなく地域の人々に開かれた「縁の場」でした(石附)。
〇「みまもりあいの家カレンダー」
 例えば、6月のカレンダーには、毎朝顔合わせ幸せラジオ体操、民生委員による新企画「専門家による相続・遺言相談」、健康マージャン((5回)、保健推進員による「もりもり体操(2回)」、お笑いライブ、民生委員による「見守り朝市、子ども食堂」、歌担当おやじによる歌声広場・宿題やろう、環境委員による歌声広場、青少年部会による「子どもの遊びの日」など、地域各組織による催し物が1日1つ書かれており、1人暮らしのお年寄りや食事を家で食べられない子でも美味しく食事ができる「場」(居場所)を提供していました。
〇「おやじの広場」
 定年退職した男性で構成した「おやじの広場」が、結成から10年が経とうとしています。 その活動は活発で、みまもりの家建設から看板作り、見守りの家の当番、子どもたちへの学習支援、こども食堂や見守り市の会場設営等々、その他長屋門公園のボランティア活動の様座な活動を展開しています。 今では、地域にはなくてはならない存在で、トレードマークのオレンジのウインドブレーカが地域のあちこちで見受けられます。
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(本レポートは、堀内、斎藤、原田各氏の報告を石附がとりまとめたもの)
 

2017年1月15日/特別研修会 実践講座「迫り来る大危機への対処〜認知症と向き合う」を開催しました

[主  催]日本市民安全学会 ベイエリア連携の会
[会  場]江戸川区タワーホール船堀303号室
[内  容]
日本市民安全学会H29年度年間共通テーマ
「迫りくる大危機時代と市民安全レジリエンス」
~知識から実践へ さあ、一歩を歩き始めよう!

  冒頭、石附弘会長から、次のとおり挨拶がありました。
「例年、学会の市民開放講座は年度初めの4月からとしていましたが、昨今の諸情勢は、そんな悠長なことを言っていられないほど『大きな危機』にわれわれは直面しており、危機によるダメージを前提とした『市民安全レジリエンス』が強く求められています。特に、超高齢社会と巨大地震については備えを急ぐ必要があります。そこで今年は、対策研修会を前倒しし、年明けの1月からの開催としました。安全対策の手順の1は『情勢把握』(知識の習得)、備えの手順の1は『まず歩き始めること(実践)』です。ご参加の皆様と一緒に学んでいきたいと思います」

地域包括支援センターの現状報告
新浦安駅前地域包括支援センター センター長 富永文彦 氏
4人に1人が高齢者となった今、高齢者の生活を支える窓口が重要となっています。高齢者の生活に関する相談、介護予防および介護支援などの地域包括支援センターの役割についてお話しをしていただきました。認知症に関しては、介護の難しさもあり、殺人事件にまで発展してしまう例や、徘徊中に列車にはねられる事件に関する遺族の責任問題の例など、社会問題となっているとのことでした。また、同センターの齋藤恵輝氏から、認知症の種類についての説明や、認知症サポーター養成講座について説明していただきました。

次世代の地域包括ケアシステムの展望
葛西昌医会病院 地域連携室地域連携担当課長 村瀬恵子 氏
 医療・介護・福祉など、職種や領域や業種を超えた地域連携ネットワークを構築し、高齢者、こども、障がい者などが地域共生社会の 実現を目指した「ベイエリア連携の会」活動についてお話ししていただきました。また、これからの医療・介護保険制度、医療・福祉・介護職の人材養成の将来像などについて解説していただきました。

現場報告 介護・福祉施設の評価委員の眼
シニアライフデザイン代表 堀内裕子 氏
福祉サービスの質の向上と、利用者がサービスを選ぶ際に役立てるための制度として、「福祉サービス第三者評価」があります。この評価の仕組みや評価の現場についてお話ししていただきました。公正・中立な立場で調査を行い、その結果を公開する評価制度となっています。専門的かつ客観的な立場で、福祉施設のハード・ソフトの状況を視察やヒアリングを通して調査したり、利用者の声なき声を聞き、見た目ではわからない部分を読み解いたりすることは非常に難しいとのことでした。



話題提供 デイリハビリ通所介護施設に勤務して
医療法人優和会グループ 生活相談員 小澤光男 氏
 横須賀市追浜にあるリハビリ専門のデイケア施設4か所の管理をされており、その現場からの報告をしていただきました。療法士として利用者の介護には直接携わっていないものの、車いすの調子が悪いとか、暖房器具の調整など、施設内のちょっとした困りごとを解決し、職員が気持ちよく働ける環境をつくるため、毎日ご苦労されているとのことでした。

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 今回は、「認知症と向き合う」と題し、介護の現場を中心に、社会を取り巻く福祉の問題について学びました。日本は、高齢社会と通り越し、超高齢社会に突入し、超超高齢化社会もそう遠くないといわれています。元気な高齢者が増える中、介護を必要とする人たちも多くなっています。それを支えるスタッフの方々に多数ご参加いただき、現場の貴重な生の声を聞くことができた勉強会でした。
 

2016年12月18日/特別イベント「ALL SECOMショールームMIRAIの視察と研修会」を開催しました

[主  催]日本市民安全学会 警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会  場]セコム本社ショールーム 及び セコムホール
[内  容]
 セコムのショールーム「MIRAI」の視察と特別研修会「地上と空から見守るこれからの安全安心社会づくり」と題してシンポジウムが行われました。 近未来を感じさせるショールーム「MIRAI」では、あらかじめ登録された顔写真をもとに、歩きながらでも顔認証がなされ、未来の会議室へ続く扉が自動的に開きました。セコムの考える、未来の安全安心な社会に向けた様々な技術が紹介されました。また、社会の安全安心に向けた“セコムの想い”が説明されました。その後、2階のセコムホールに会場を移して、研修会が行われました。
 
 基調報告 「セコムの考える安全・安心の未来」 
セコム株式会社IS研究所 副所長 丸川 佳 氏
 セコムグループが連携して社会の安全・安心・快適・便利を実現しようとしていること、セコムドローンやセコム飛行船といった空からのセンシングと地上の各種センサー、そして人的対応を融合させた最先端の安心まちづくりについて説明していただきました。また、安全安心に関する社会の想いをつなげるには、お互いを理解し共感できる“のり”と“のりしろ”の部分が大切であり、それがあって初めて連携が可能になるとのお話しでした。
 パネルディスカッション
「光が丘地区の安全安心まちづくりの自治会活動に関して」 
 相模原市光が丘自治会長 平林 清 氏
 地域をつなぐ自治会活動について説明していただきました。市内でも自治会加入率が高い光が丘地区のすばらしい加入促進活動や、自分たちのまちは自分たちで守るという強い決意を持った独立防災隊の活動、地区の交通事故データを分析した交通安全活動についてお話ししていただきました。まちを良くしたいという気持ち・思いが大切であるとのことでした。
 「準天頂からみた安全マップづくり~「地上と空」の情報の融合へ向けて~」 
 科学警察研究所 特任研究官 原田 豊  氏
 空からのGPSデータと地上のまち歩きで得られた情報を融合させ、地域の安全マップの作成を支援する『聞き書きマップ』について説明していただきました。見聞きした情報を正確な位置にひもづけさせることが大切ですが、GPSだけの測位の場合、ビルの陰などで位置の誤差が出やすくなります。しかし、日本が打ち上げた準天頂衛星からの測位情報が加わることで、今後はより正確な位置情報が得られるようになるとのことでした。また、文部科学省のモデル事業にも採用され、教育現場への普及が進みそうであるとのことでした。
 
「生活機能レジリエンスのコデザイン」 
  産業技術総合研究所 西田佳史  氏
 高齢化による認知機能回復や身体機能の変化に伴って、様々な問題が出てきた際に、安全な状態や社会参加が高い状態へと回復してくれる「生活機能レリジエンス」の重要性についてお話ししていただきました。実世界での問題点抽出に、生活を科学するリビングラボを作って、各種センサーを活用して生活機能の変化を早い段階で検知する仕組みについて説明していただきました。いままで普通の速さで歩いていた人が急激に遅くなった場合には、体調に異変が起こりつつあることがわかり、早期に対応することで、機能回復への早道となります。病院や住宅、老人ホームなどの現実の世界での実証実験が進んでいるとのことでした。
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人というセンサーに加えて、建物や街頭に設置されたカメラや各種センサーによって、「見守り」という安全・安心への取り組みが進んできました。これからはそこに空からのセンサーが加わり、それらがさまざまに融合して、社会の安全・安心を形作っていくことになると再確認できた研修会でした。



2016年11月20日/「見えざる危機への対応」ちよだ塾2016第5回を開催しました

[主  催]日本市民安全学会
[後  援]警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会  場]ちよだプラットフォームスクエア 会議室
[内  容]
第1講 子どもたちにどう教える“見えざるネット裏の危機”
 全国読売防犯協会協力会専任講師
 東京都eメディアリーダー
(一財)草の根サイバーセキュリティー運動全国連絡会・ほか所属
 アルプスシステムインテグレーション株式会社勤務 
 菅野 泰彦 氏    
 ICTの技術向上やインターネットの普及によって、ウェアラブルコンピューターによる安全管理や小型ドローンを農業革命などが始まっている。昨今の技術進歩で便利なことが増えているが良いことばかりではない。インターネットの過剰利用による弊害や、犯罪被害が多発する中、道具に使われるのではなく、道具を使いこなさなければならない。インターネットはバスや電車と同じで公共のものだということを理解し、利用のルールやマナー、エチケットを育てることが大事。大人が子供達に残せることは、心構えを育てる事、相談する姿勢、指摘されたら感謝して素直に止める力を育てなければならない。年配者は人生の先輩として、子供たちの成長のため逃げずに指導していく使命がある、とのお話でした。

 第2講 
 注意の機能から見た危機管理—危険の見逃し、高齢者の転倒の視点からー
 首都大学東京 人間健康科学研究科 教授 
 樋口貴広氏
 老人の歩行中の転倒などから、注意が行動に大きく影響している事がわかった。注意が機能しない事でミスが起こる。注意は情報の選択と認知資源の配分という二つの機能を持っているが、高齢者の転倒には認知資源の配分が関係しているとのお話。その後、全員で心理的実験の被験者になりました。動画を見つめて、気になるところだけを見ていると、動画中の大きな変化を全員が見逃してしまうというインアテンショナル・ブラインドネスの実験を体験しました。このことから、歩きスマホや運転中のスマホの危険性なども理解できました。指差し確認など視覚以外の方法を使って注意力を補うことも大切だとわかりました。

コメント
 横浜市教育委員会高校教育課首席指導主事 
 鈴木 英夫 氏
  ニュースなどで、職員の不祥事やいじめや事故などが大きく報道されると、子供の安心安全ばかりが前面に出されてしまうが、安全安心は基礎条件であって目的ではない。大切なのは教育の中身。  
 これからの変化の大きい社会にあっては、教室の中だけで通用する学力ではなく、教室の外でも通用する力として教科教育を突き抜いたところで資質能力の育成が重要視される。新学習指導要領では、知識を活用して思考、判断し表現する力、何かを理解するということから、何かを共同で為すことを重視する学習観へ変化していく、ということをわかりやすく説明していただきました。

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 ネット時代に子供が身につける能力は、ネットの使い方ではなく基本的な生き方やマナー、大人はそれらをきちんと伝える責任がある。また、歩行ということから、歩行そのものも注意力が必要であること。いずれにしろ、インターネットを楽しむにしても、歩いて街を移動するにしても、自分の注意力を確認しながら行動することが大切であることに気づかされました。


2016年10月16日/「見えざる危機への対応」ちよだ塾2016第4回を開催しました

[主  催]日本市民安全学会
[後  援]警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会  場]ちよだプラットフォームスクエア 会議室001
[内  容]
第1講  実践術特講 見えざる「氣」の実践的創造法!
 SAFETY DRIVING & 氣ENERGY研究所所長
 瀧上勝義 氏
   心を落ち着かせ、集中することで、ストレスなく元気で健康に日々を送ることができます。その実践方法についてお話をいただきました。身体が疲れるということは、車でいうところのバッテリー上がりと同じで、全身に「氣」というエネルギーを充電しつづけることで、活力ある生活を取り戻すことができるとのことでした。参加者全員で、「氣」エネルギーを高める方法を体験しました。心を前向きに、姿勢を正しく、呼吸を安定にすることで、身体が正常な状態になりました。

第2講  性犯罪(性暴力)を防止する安全・安心まちづくり
 日本大学法学部助教 西山智之 氏 
  心のトラウマとなりうる性犯罪について、法学的見地からお話をいただきました。多くの犯罪が減少する中で、性犯罪は減少傾向にはありません。また、犯罪の特性上、他の犯罪に比べて暗数(警察に届けられていない件数)も多くなっているとのことです。法改正によって性犯罪を非親告罪とし、次の被害者を生まないようにする取り組みも動き出しているとのことでした。また、事前予防の施策として、環境犯罪学の応用が重要であること、大学生に対する性犯罪の予防教育が必要であるとのことでした。

 特別出演 こころの通った見守り活動
 日本防犯設備協会特別講師 富田俊彦 氏
 防犯活動の一環として、毎日続けておられる、通学路の見守りと声掛け活動についてお話をいただきました。横断旗の手元にスーパーマリオの赤色キノコを付け、子どもたちから“キノコおじさん”と慕われているとのことです。地域の中で「ぼくたち、わたしたち」を見守ってくれている地域の大人の存在そのものが、子どもたちの心の安定につながるとのことでした。
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 今回は、「見えざるこころの危機への対応」と題し、心の落ち着かせ方、集中する方法について学びました。これまで、“落ち着く”方法や“集中する”方法について教えていただく機会はなかったような気がします。参加者の「氣」が向上し、パワーあふれる勉強会となりました。また、女性を中心とした性犯罪被害、子どもが被害者となる犯罪なども、こころの安定を乱れさせる要因であると考えさせられた勉強会でした。

2016年9月11日/「見えざる危機への対応」ちよだ塾2016第3回を開催しました

[主  催]日本市民安全学会
[後  援]警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会  場]ちよだプラットフォームスクエア 会議室504
[内  容]
第1講 通学路に潜む危険の可視化と対処:
「危険なできごとカルテ」と『聞き書きマップ』の提案
  科学警察研究所 原田  豊  氏
  子どもの連れ去りが9年ぶりに100件を超え、不安感が高まっていますが、子どもが大人に対峙するということは、大人がヒグマを相手にするのと同じことで、戦おうとしてはいけないとのことでした。このような危険なことに出会わないようにするために通学路安全マップの作成を地域全体で進めることが大切であり、開発を進めてきた『聞き書きマップ』などを活用した取り組みが、文部科学省のモデル事業に採用され、学校教育現場への普及に道が開けたとのことでした。平成28年版の警察白書などにも取り上げられ、ますます活用が広がりそうです。

第2講 思春期の子どもたち:
  相談のハードルを下げるには
  昭和薬科大学臨床心理学研究室 教授 吉永真理  氏
  思春期の子どもたちは、さまざまな悩みを抱えており、周りに助けを求められないことでつらさをまぎらわすために「自分の健康を故意に害する症候群」と名付けられている自傷行為をはじめとする行動に追い詰められてしまう子どももいます。思春期の子どもたちの、周囲に助けを求めたり、いらいらをコントロールできるようにしたり、悩んでいる友達を助けたりできる力の向上を目的に開発されたプログラムSEL-Shortの解説をしていただきました。また、地域で子どもたちを受け止める居場所の重要性、特に「プレーパーク」の取り組みについて紹介いただきました。子どもたちが学校を卒業してしまうと先生などの支援者との関係も途切れてしまうので、卒業前に地域の支援者とつながっておくことが大切であるとのことでした。
   ディスカッションの前に、「データが語る子どもの姿」と題して、セコムIS研究所の濱田宏彰氏に、子どもに降りかかる犯罪についてデータを示していただきました。児童虐待の増加や振り込め詐欺に加担してしまう子どもの増加などの問題が示されました。その後、原田氏、吉永氏との討論が行われました。
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 今回は、見えざる子どもの危機に対し、すでに社会実装され、現場で大きな成果を上げている2つのコンテンツについて解説していただき、子どもたちの外からの脅威と内側からの脅威を合わせて学びました。子どもたちが安心して過ごせる社会づくりに日本市民安全学会は協力していきます。

2016年7月30〜31日/日本市民安全学会 西日本夏季研修会」を開催しました

[主 催]日本市民安全学会 警察政策学会市民生活と地域の安全創造研究会
[日 程]7月30日(土) 西日本会員を中心とした学術発表・現場報告会、
                              歴史探訪事前研修会、意見交換会
   7月31日(日) 歴史ツアー
                          「大阪城に秘められたセキュリティ・システム」
 [概 要]初日にホテルプリムローズ大阪にて、様々な分野の専門家である会員からの報告の後、大阪府防犯設備協会専務理事である平岡豁先生に「街頭防犯カメラは安全のかなめ」「築城400年大阪城 ~大阪城セキュリティ・ツアー」の2つの講演をして頂き、2日目に大阪城の見学会を実施致しました。

7月30日(土)
13:10~ 研修会(学術発表・現場報告・顧問からの報告)
① 遊び場のマネジメント
 神戸常磐大学非常勤講師 松野敬子氏
② 平成28年(2016年)熊本地震から考える市民防災
 大阪教育大学 学校危機メンタルサポートセンター准教授 後藤健介氏
③ 熊本地震に思う「命の安全と宮本武蔵」
 日本市民安全学会会長 石附弘氏
④ 行政情報を活用した防犯情報の発信について
 福岡県警察本部少年課長 大庭英次氏
⑤ 社会教育映像を通じての啓発・啓蒙活動 ~我が国の「超高齢社会」におけるQOLを目指した生涯キャリア学習~
 映学社 コーディネーター 斎藤晃顕氏
⑥ 戸田市における社会安全政策の評価と展望~防犯対策を中心~
 一般財団法人地球開発研究所 上席主任研究員 牧瀬稔氏
⑦ 安全安心街づくりをふりかえって
 長崎医療共済生活協同組合常務理事 岩田廣文氏
⑧ 刑の一部執行猶予制度の発足(2016.6~)について
 弁護士 大川哲次氏
⑨ 市民安全を考える
 元警視庁鑑識課管理官 山下弘忠氏
⑩ フランスの現状とこれから~テロ対策、自由をどこまで犠牲にできるのか~
 京都産業大学法学部准教授 浦中千佳央氏
⑪ 大阪府防犯協会連合会の活動について
 公益社団法人 大阪府防犯協会連合会会長 池崎守氏
⑫ 総務大臣表彰を受けて(防災と福祉の安全なまちづくり)
 神戸市北須磨団地自治会長 西内勝太郎氏
⑬ 総括コメント 日本市民安全学会副会長・前京都産業大学学長 藤岡一郎氏

7月30日(土)15:55~ 特別企画 「街頭防犯カメラは安全のかなめ」
 NPO法人 大阪防犯設備士協会 専務理事   平岡豁 氏
 平岡先生から、大阪の犯罪情勢とそれに対する取り組みをご説明頂いた後、街頭防犯カメラの有効性や配慮すべきことについて、大阪での具体例を交えながら詳しく解説して頂きました。
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 街頭防犯カメラについて、ここまで詳しく、実際のデータを用いての報告を聞く機会はなかなか無い為、大変勉強になりました。

7月30日(土)17:20~ 歴史探訪事前研修 「築城400年大阪城~大阪城セキュリティ・ツアー~」
 NPO法人 大阪府防犯設備士協会 専務理事   平岡豁 氏  
 引き続き平岡先生から、防犯環境設計の理論から見た大阪城の築城システムについて、写真を用いたとても分かりやすい解説をして頂きました。
 防犯環境設計の新たな知見が手に入り、翌日の大阪城の見学会が楽しみになる内容でした。

7月30日(土)18:00~ 意見交換会(ホテルプリムローズ大阪)  夜はホテルプリムローズ大阪内の会場で、懇親会が行われ、会員各自の近況報告や市民安全に関わる意見などの発表がありました。


7月31日(日)9:30~ 歴史ツアー「大阪城に秘められたセキュリティ・システム」       11:30~ 昼食会(アサヒパノラマレストラン) 2日目の大阪城ツアーは、天候にも恵まれ、猛暑の中、平岡先生案内のもと大阪城を探索致しました。
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 歴史的建造物の構造を、いつもの観光とは違った目線で見学することが出来、防犯環境設計の具体的運用について新たな視点を学ぶことが出来ました。その後、大阪城を一望できるレストランにて食事会を行い、盛況の中、西日本夏季研修会は閉幕致しました。 

2016年6月19日/見えざる危機への対応」ちよだ塾2016第2回を開催しました

[主 催]日本市民安全学会
[後 援]警察政策学会、市民生活と地域の安全創造研究部会
[会 場]らいおんハートクリニック 4階研修室 (行徳駅前) 
[内 容]
 第1部 特別講演「高齢者福祉における尊厳」
前関東福祉専門学校 校長 阪田震一氏

 介護が必要な高齢者が増える中、それを支える担い手の育成についてお話をいただきました。単なる介護サービスの提供ではなく、入居者の自立を促すこと、個人の尊厳を大切にすることに重点がシフトしているとのことでした。一方で、自立や尊厳を大切にすると、介護を行う側の手間や時間が増えることも事実で、自立と介護のバランスの判断はかなり難しいようです。それに伴い、求められる介護士像は非常に高くなってきているとのことでした。

第2部 特別研修
「らいおんハートクリニックの『体にやさしい治療』とは」
らいおんハートクリニック 
リハビリテーション科 松岡公平氏
 ひとりひとりに合った治療、安全かつ効果的な治療などの治療方針や、自立支援に向けたリハビリの取り組みなどについてお話をいただきました。自然治癒力を利用したMPF療法や、ロボットスーツHALを活用したリハビリなども取り入れ、また、介護施設では、デイサービス、ショートステイ、訪問介護など多種多様なニーズに応えられる体制を敷いているとのことでした。
 
 第3部 新企画「談話室:裕子のシニアライフサロン
       シニアライフデザイン代表 堀内裕子氏
 ジェロントロジー(老年学)のスペシャリストである堀内裕子氏のコーディネートで、高齢者の日々の問題を議論しました。遺影撮影会や散骨体験、エンディングノートについて紹介していただきました。パネラーとして、阪田氏や松岡氏、石附会長なども加わり、さまざまな観点からシニア議論が進みました。死について語り合う“デスカフェ”の話題なども登場し、「就活」ならぬ「終活」が楽しくなるサロンとなりました。

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 今回は、見えざる高齢者の危機に対し、それぞれの専門家から見える化をしていただきました。暗くなりがちな高齢者問題を明るく面白く見つめなおすことができたのは日本市民安全学会ならではないでしょうか。
 

2016年4月17日/見えざる危機への対応」ちよだ塾2016第1回を開催しました

[主 催]日本市民安全学会
[後 援]警察政策学会、市民生活と地域の安全創造研究部会
[会 場]ちよだプラットフォームスクエア 
[内 容]
  2016年度のちよだ塾は、“見えざる危機への対応”と題し、さまざまな危機対応を学んでまいります。
 その第1回は防災危機への対応をテーマに、3名の専門家にお話をいただきました。
第1講 災害に負けない都市:新しいレジリエンス工学のすすめ
芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科 准教授 増田幸宏氏
第2講 逃げ地図づくり(どこへどう逃げるか?逃げ地図づくりワークショップを通したリスクコミュニケーションの活性化)
千葉大学大学院園芸学研究科 教授 木下勇氏
第3講 大地震後の生活継続リスクに対するマンションでの共助活動
清水建設株式会社 技術研究所社会システム技術センターまちづくりグループ 村田明子氏

 増田氏からは、建築・都市工学の見地から、レジリエンスについてお話をいただきました。社会システムをデザインする上で、環境の変化を乗り越えるために、強靭かつしなやかな対応力が重要になるとのことでした。また、木下氏からは、逃げ地図づくりを通じた、地域防災力についてのお話をいただきました。津波防災から始まり、いまでは土砂災害や火災などへの展開も進み、子どもから大人までの世代間連携、また、学校から自治会・自治体までの地域間連携が密になり、ソフト的な防災力向上に有効に働いている事例について説明していただきました。村田氏からは、災害時のマンションの生活継続についてお話をいただきました。被災マンションの実態調査から、自治会、自主防災組織、管理会社の連携の事例や、生活継続力評価などについて説明していただきました。
 
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 今回は、災害に対する危機対応力について学びました。近年、地震をはじめ、水害、土砂災害など、あらゆる災害が続いています。災害を乗り越えるには、ハード・ソフトの両側面から、しなやかな対応力と様々な連携が大切であると再認識できた勉強会でした。 

2016年3月12日/シニアのための健康・安全・安心プロジェクト in 浦安
「シニアステージの市民安全のかたち ~高齢者の健康・安全をめぐる基本問題~」

[主 催]日本市民安全学会、
NPO浦安ネット、ベイエリア連携の会
[後 援]浦安市、警察政策学会市民安全研究会
[会 場]浦安市民プラザウェーブ101
[内 容]
基調講演:「年齢変化と環境変化:そして最適な「健康と安全のかたち」
日本市民安全学会 会長 石附弘氏
 
特別講演1:シニアライフ・これからのステージとは
シニアライフデザイン代表 堀内裕子氏
 
特別講演2:摂食嚥下リハビリテーション「歯科医からみた「食べる技術・飲み込む作法」
           小林クリニック歯科 副院長 歯学博士 齊藤貴之氏
 
特別講演3:「人を見たら詐欺犯」の時代を生き抜く知恵
東京都消費者センター相談員 木村嘉子氏

 石附会長からは、日本の平均寿命が85歳を超え、老老介護の問題、認知症による行方不明者が増えている現状などのお話をいただきました。また、ウォーキングなどによる体力維持や、社会貢献活動による地域とのつながりが、病気の予防に効果的であること、ひいては安全・安心につながることを例示していただきました。
 堀内氏からは、高齢者を取り巻く様々なことを横断的に考える老年学についてお話をいただきました。また、身体的問題だけではなく、認知症などの心理問題、孤独などの社会問題をトータルで考えるフレイルという考え方についても説明していただきました。
 齊藤氏からは、食べ物などを飲み込めること、誤嚥しないようにしっかりとむせることができることが、食べる喜びにつながることをお話ししていただきました。
 最後に、木村氏からは、高齢者をねらう詐欺についてのお話をいただきました。振り込め詐欺やリフォーム詐欺、原野商法詐欺などについて、実際の相談事例を交えて説明していただきました。

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 今回は、シニアの安全にフォーカスした勉強会でした。健康と安全は高齢者にとって不可分であり、これからの日本市民安全学会の方向性が示されたように感じました。また、講演の合間に“江戸川介護劇団 たなごころ”による介護劇をみせていただきました。介護の現場を知り尽くしたメンバーによる演劇は、今回の勉強会の理解を一層深めるものとなりました。