フォーラムなど企画(2015年まで)

「市民安全学のすすめ」ちよだ塾第5回を開催しました/2015年10月25日

[主 催]日本市民安全学会
[会 場]ちよだプラットフォームスクエア
[内 容]
第1講「市民生活の安全・安心と情報化社会への対応」
    講師 KPMGコンサルティング(株) 顧問  喜入 博氏
 いまや社会基盤となっているインターネット。そのネットワーク社会のリスクとその対策について解説していただきました。かつては愉快犯が大勢を占めていましたが、いまでは情報の窃取や不正利用にシフトし、サイバーテロにまで発展してきています。これらに巻き込まれないためにも、その脅威の理解と対処方法が重要であることをお話ししていただきました。また、生活基盤としての年金制度、今後始まるマイナンバー制度についても解説していただきました。


第2講「サイバー犯罪の現状と日本サイバー犯罪対策センターJC3の活動」
    講師 日本サイバー犯罪対策センターJC3 理事  坂 明氏


JC3は、サイバー空間の脅威に対応するため、産官学連携で日本版NCFTAとして設立されました。その概要と役割などについて解説していただいた後、最近のサイバー犯罪の現状を説明していただきました。標的型メールや身代金要求型ウイルスが増加し、もはや攻撃されない対策よりも、攻撃された後の対応準備を重要視する必要があるとのことでした。
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 ちよだ塾の最終回は、「サイバー社会と向き合い、生き抜くために」と題し、開催されました。日々変化し続けるサイバー犯罪を知らずして、安全・安心なインターネット利用はあり得ないと痛感する勉強会でした。
 また、今回は本邦初“セーフコミュニティ漫才”として、漫才師『世界事情』(阿部さん・桶谷さん)が 特別出演し、“セーフコミュニティ漫才”を初披露していただきました。漫才を通じて、セーフコミュニティの7つの指針がわかりやすく解説される様子 は、非常に新鮮でした。専門的講義と漫才がドッキングした勉強会は、 日本市民安全学会ならではといえるでしょう。

秩父市でセーフコミュニティ研修会を開催しました/2015年9月13日
セーフコミュニティで、高齢者の交通事故を減らそう!

[主 催]日本市民安全学会 、秩父市、秩父自治会連合会、
    秩父セーフコミュニティ推進協議会
[会 場]秩父市歴史文化伝承館ホール
[経緯・概要]
日本市民安全学会は秩父市ともに、セーフコミュニティ研修会を開催しました。秩父市は、本年7月、セーフコミュニティ国際審査員による現地審査を受け、国内11番目の国際認証の内定を受けました。11月の認証式典に先立ち、セーフコミュニティ活動の柱の1つである交通事故減少をテーマに、研修会が開催されたものです。多くの市民の他、厚木市の市民、日本市民安全学会会員など多数が参加しました。参加者全員に反射材が配られ、千葉大学名誉教授の鈴木春男先生の講演でも反射材の有効性が示され、講演終了後には安全基準を満たした反射材の展示コーナーに多くの方が関心を示していました。
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久喜邦康市長、石附弘会長の挨拶のあと、


○基調講演 「世界基準の『転ばぬ先の杖』~セーフコミュニティの魅力~」
   講師:日本市民安全学会 石附弘会長


○特別講演 「高齢者に対する効果的な交通安全の取組について」
   講師:千葉大学名誉教授 鈴木春男先生


○パネルディスカッション 「どうしたら高齢者の事故を減らせるか?」
2人の講師に金子理惠子秩父市セーフコミュニティ交通安全対策委員会委員長が加わり、熱い議論が交わされました。


 石附会長からは、セーフコミュニティは、世界基準の「転ばぬ先の杖」であり、WHOが交通事故など不慮に事故予防に強い関心を示していること、秩父市には玄関での転倒骨折事故が多いという地域特性があること、適切な対策を講ずれば事故を減らすことができること、そのためにも、ちちぶお茶飲み体操(通称、茶トレ)による筋力アップ活動などが有効であることを、市民の皆さんにわかりやすく説明していただきました。
 鈴木先生からは、「年はとっても気持ちは若い」などといった「意識と行動のミスマッチ」や、道路を渡るときに「右見て左見たら、右の事を忘れた」といった並列情報の処理能力低下などを原因とした高齢者特有の交通事故やその効果的対策について、詳しく解説していただきました。
金子委員長からは、交通安全対策委員会の活動について説明があり、特に追突事故が多いことなど地区の交通事故の特徴を示していただきました。
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 高齢者の交通事故減少には、“世界で一番安くて確実な交通安全ツール”反射材の着用により、夜間の事故を減少させた外国の事例に倣い、反射材装着推進条例を制定してはどうかとの提案が出された他、会場からの熱心な質問などセーフコミュニティ活動によって市民の意識が高まっていることを感じさせる研修会でした。

夏季特別研修会 ≪奈良少年刑務所視察と奈良歴史ツアー≫/2015年7月31日〜8月1日

[主 催]日本市民安全学会 、警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[日 程]7月31日(金) 奈良少年刑務所視察と講話
    8月 1日(土) 奈良歴史ツアー
[内 容]今回の特別研修会は、奈良在住本学会顧問の大川哲治先生のご尽力による奈良少年刑務所の見学と研修、及び、場所を移しての前少年刑務所刑務官の竹下三隆先生のご講演、翌日には東大寺大仏殿の拝観等、大変魅力に富んだ研修ツアーとなりました。(30人参加)


1 奈良少年刑務所見学
 奈良少年刑務所は、明治41年に竣工の建築物で前身は奈良監獄です。所長の只川晃一様を講師として奈良少年刑務所の由来と刑事施設と改善更生に向けた取り組み等についていろいろなお話を伺いました。
 所長のご説明では、この施設では受刑者に対して、犯罪の責任を自覚させ、立ち直りの意欲を喚起し、社会生活に適応する力を身につけさせるため、「作業」のほか「改善指導」や「教科指導」という教育的な処遇を行っている。また、罪を犯した人が二度と犯罪を繰り返させない為の「矯正指導」を重点的に注力している。特に受刑者への「改善指導」の中でも個々に改善更生や社会復帰が難しい受刑者の個別対応をしておりこれには①薬物依存離脱指導、②暴力団離脱指導、③性犯罪再犯防止指導、④被害者の視点を取り入れた教育、⑤交通安全指導、⑥就労支援指導等6種類の中で対応しているとの、お話でした。

2 講演

  竹下 三隆 氏 (於 日本料理 花鹿(かじか)会議室)
 前奈良少年刑務所刑務官、臨床心理士、放課後ディサービス「なないろ」スーパーバイザー、スクールカウンセラー等で活躍中
(内 容) 
 少年刑務所在勤中の30年間のご経験を中心に、凡そ4,000人もの受刑者の更生教育に従事してきた経験をもとに、受刑者の心とどう向き合うかというお話でした。
 竹下先生は、犯罪を犯す者には特徴があり、法律や決まりごとといった世間の「枠」をはみ出す者が多い。そこで受刑者には、犯罪を犯す原因の一つになる世間にある「枠」という存在につきしっかりと教えていくことが大切だと語られていました。
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 「受刑者は、人とつながれない傾向がある。人とつながれない者に、いかに力をつけさせていくかが我々にとり大きな課題であると考えている。」との言葉が印象的でした。


3 奈良歴史ツアー(翌日)
  東大寺では、大川顧問のご紹介により、大仏殿の特別拝観をしました。
 奈良時代8世紀、聖武天皇の東大寺創建の背景や、幾多の戦乱による羅災、大仏に彫られた絵文様の謎など興味尽きない僧職のお話に、「安全・安心」に対する古の時代精神を垣間見ることができました。
 その感激を胸に、昼は、菊水楼で奈良の味を楽しみました。



















「市民生活危険学のすすめ」ちよだ塾第4回を開催しました/2015年6月27日

[主 催]日本市民安全学会
[後 援]警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会 場] ちよだプラットフォームスクエア
[内 容]
第1講「まちと高齢者が元気になる知恵」(地域から湧き出る妙案)
講師  シニアライフデザイン 堀内裕子氏
 超高齢社会の現状を内閣府のデーターでおさらいしました。また、日本の老年関係の学会が一堂に会する学術大会が6月12~14日横浜で開催されたこともあり、昨年より話題になっている「フレイル(虚弱の新しい呼び名)」についての紹介がありました。
本題の「まちと高齢者・・・」は、自助・互助・共助・公助と企業による力が加わり、高齢者と地域、そこに企業が協力することにより、より高齢者が元気にいきいきと生活できる事例を紹介しました。



第2講 映画と講演 「最期の願い~どうする 自宅での看取り」  
講師   映学社 髙木裕己氏 
○映画「最期の願い~どうする 自宅での看取り」を通して、今後、拡がっていく
在宅ケアの質の問題、QOLの必要性を訴えました。
〇講演
医療従事者、在宅ケアの介護者は、だだ患部の治療だけにあたるのでなく、患者の心のケアにも十分、配慮する必要がある。患者に元気、生きがいを最期まで感じさせること。


東北地方で、多くの人を看取つた故岡部健医師は、患者の心に寄り添うには、患者とともに祈るケアも重要であると提唱、同時に東日本大震災で僧侶が被害者の傾聴ボランティアを行うなかでも、祈りの必要性を訴え、2012年、東北大学に「臨床宗教師」を養成する講座が開かれていることを報告しました。

■話題提供 事故が無く誰にも安全・安心で、分かり易く、みんなに優しい道とは何か? 
D&D STUDIO Inc. 櫻田秀美氏


通学路、住宅地の道、高速道路、などを考え直しましょうと、提案します。
 子どもにとって。ドライバーにとって。海外からのお客様にとっても。。。





「市民生活危険学のすすめ」ちよだ塾第2回を開催しました/2015年4月19日

[主 催]日本市民安全学会
[後 援]警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会 場]ちよだプラットフォームスクエア
[内 容]
1.セーフコミュニティ研究ノートから
東京大学大学院 鈴木あい氏


2.国際認証安全都市厚木市の「セーフコミュニティ5年」の歩み
厚木市危機管理部長 岩澤栄一氏


3.地域安全活動とコミュニティの絆 ~厚木市民の意識調査から~
子ども安全まちづくりパートナーズ 重根美香氏


4.子どもの危険を科学する! ~サーベイランスが面白い~
産業技術総合研究所主席研究員 西田佳史氏


話題提供.「5分でわかる“1月フランステロの背景”異なるコミュニティ」を越えて
京都産業大学法学部准教授 浦中千佳央氏
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 世界基準の安全「セーフコミュニティ」が、厚木市をはじめ全国各地に広まってきています。市民へのアンケートや各種研究・サーベイランスからも、セーフコミュニティの実施による市民の体感安心度が高まっていることがわかります。さらに、小学校から中学校に広まりつつあるインターナショナルセーフスクールも、子どもたちの安全安心につながってくると思われます。また、事件事故は絆創膏を貼るような対処方法ではなく、どうしたらその危険を制御できるかを考える必要があると感じました。

「市民生活危険学のすすめ」ちよだ塾第1回を開催しました/2015年3月8日

[主 催]日本市民安全学会
[後 援]警察政策学会 市民生活と地域の安全創造研究部会
[会 場]ちよだプラットフォームスクエア
[内 容]
 高齢者を狙った振り込め詐欺、子どもを狙った連れ去り事件、女性を狙った痴漢など、私たちの身の回りに渦巻いている危険・不安は数多くあります。今年度のオープンカレッジでは、「危険と安全の境界」をテーマに、リスクの実態やその背景を見つめ直していきたいと思います。


1.「市民生活危険学のすすめ」開講にあたり
 日本市民安全学会 会長 石附 弘氏


2.元隊長が語るあさま山荘事件 ~1972 命を賭けて国民を守った警察官~
 元警視庁第二機動隊隊員、日本防犯設備協会特別講師 富田俊彦氏


3.データから読み解く市民安全
 セコム(株)IS研究所リスクマネジメントグループ 濱田宏彰氏


4.不審者から子どもの命をどう守るか?
 厚木市セーフコミュニティ総合指導員 倉持隆雄氏


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 当時の写真とともに、危険との境界の最前線で戦った「あさま山荘事件」の真相が語られ、驚きと涙の連続でした。また、犯罪統計データや不審者の行動分析データの持つ意味を見つめなおすことで、危険の実態の一端を垣間見ることができました。一方で、これらのデータに含まれない暗数、いわゆる届け出のない事件の数の多さにも驚きました。

絆事業シンポジウム 「親の子育て・地域の子育て」を開催しました/2015年1月18日

[会 場] 世田谷区立八幡小学校
[主 催] 日本市民安全学会/玉川田園調布防犯パトロール隊
[内 容]
1「親の子育て・地域の子育て」育て直し・育ち直り実践アドバイザー 
  講師  臨床心理士・保育心理士 角田春高氏
子どもをめぐる悲惨な事件が起こり、現代社会を取り巻く環境は不安と共にあります。秋葉原事件、佐世保の同級生殺害事件、児童虐待事件の増加。スマホ問題、ドラッグ等々。これら市民を取り巻く心配、不安に対しどう向き合っていくか?原因論や画一的な形成論から捉えるのではなく、人間が発達する過程、節目、体験に注目していくことの重要性についてのお話がありました。子どもだけでなく、親、大人が乳幼児期にどのような体験をしているか。大人の暴力事件、自殺が最近多いのも、その大人が子どもの頃の発達が関係があり、もし子どもの頃に重要な体験をしていないのであれば、今からでもやり直してあげること。それを今からでも地域を挙げて取り組むことが大事であることを学びました。角田先生の、「凶悪な犯罪も小さい頃からの教育次第で、無くせるんです。」という言葉が印象的でした。


2「地域で子どもを育てる」
  講師  瀬谷区女性地域安全委員会代表 清水靖枝氏
 長屋門公園で事務局長を勤める清水先生は、公園に見学にやってくる小学生たちに古民家で暮らしていた先人達の生活の営みを説明したり、年中行事、伝承行事を伝えたりする傍ら、公園に集まってくる近隣の中高生達を見守っています。中には学校に居場所を見出せず、公園にたむろしている高校生もいたそうです。しかし、行為を頭ごなしに叱ってやめさせるのではなく、まず声を掛けていくことが重要で、子どもにとって何がベストな環境かを考えることが必要というお話でした。中でも印象に残ったのは、親の行動を子どもは見ているということ。行事に参加して挨拶もせずに帰る親。池に落ちそうな子どもを尻目におしゃべりに夢中、やがて子どもは池に。そのような親の背中を見て育った子どもたちは、どのような大人になるのか。我々は大人として、地域住民として何ができるのか。地域での子育ては何ができるのか。自らの体験を下にしたお話は非常に重要な方向性を示しているように感じました。

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 子ども・若者を巻き込んだ事件はよくメディアでも報道され、その度に不安を掻き立てられることも少なくありません。しかし、現代社会を取り巻く不安は多いとしても、それらを「良くない事だ」「悪い事だ」と簡単に我々の心の中から分離してしまうのではなく、その背後にあるものに目を向けて、人間とは何か、という事について真剣に考えることが必要だと感じました。